「全自動ドリップコーヒーマシンを設置して頂けることに感謝!」

2020.09.11 18:38

次世代型コーヒーサービスの方向性

当社が20数年の長きに渡り事業の中核を成してきたコーヒーワゴンサービスが、2015年以降は衰退の一途をたどり始めました。

もとより今までのワゴンサービスに於いては事業の運営上若い人材を必要とし、またそのような多くのスタッフに力を貰い助けられ、スタッフ一人ひとりの頑張りに支えられて来たことも事実であり、大きな原動力でもありました。

しかしこの近年、少子高齢化が進む中特に中小零細企業においての安定した人材確保は大変厳しい状況であります。

とは言え、この重圧の中何とかこの苦境を乗り越え無ければなりません。

ワゴンサービスに変わるべき次世代型のコーヒーサービスはどうあるべきか、少なくとも従来の様な人的サービスに重きを置いた形は難しくなります。

では全てを人以外の機械に頼ってしまうのか?それも大きなギャップがあり、適切であるとは思えません。

少しでも人的サービスが伴い、人の温もりや交わりを感じさせる方向性が必要ではないだろうか。

これは逆説的には、人的な部分での省力化であり労働力の負担の軽減に通じるもので有ると思われます。

つまり、人的サービスと機械的サービスが融合出来るあり方がこれからのコーヒーサービス事業や喫茶店業界におけるサービスの一旦を占めるのではないだろうか。

私たちは省力化の中で適応性に富んだコーヒーマシンを模索し始めました、いわゆる、出来る限りの人的サービスを使いつつ、効率を上げていけるマシンを探し求めたのです。

これには従来の完璧な自動販売機のスタイルではない、「マシンによる自動化、いわゆるセルフ対応」が可能なコーヒーマシンの展開を企画する事が必要とされたのです。

この企画が後に当社が取り扱う「全自動ドリップコーヒーマシン」の登場となるのですが、ここでマシンの抽出法をドリップ方式に決めたことに付いては、私たちの創業以来のこだわりでも有りました。

この理由としてコーヒー本来のもつ素材の良さを出来る限り損なうことなく忠実に風味を引き出すという点に最も優れた抽出法で有る事を知ったからです。

具体的にはコーヒーのもつ本来の味覚をコーヒーの容量から抽出温度、ムラシを含めた抽出時間、抽出回数、抽出速度等の作法により幾重にも異なる味を演出する事がドリップ方式のメリットでありこのマシンも同様、細部にわたり抽出度合いの設定を行う事により、人があたかも手で抽出したかの如き出来上がりをこのマシンが再現出来た点にあります。

 

コーヒーの出来具合がマシンの特性を活かす

このマシンの特性を最大限に活かすのも、まずコーヒー生豆の素材から選定しなければなりません。

それにはコーヒーに合ったマシンも数多く有りますし、またマシンに合わせたコーヒーを作る事も可能であります。

今回の試みは後者になります。両者の相性も有りますがマシンが決まった以上、コーヒーの素材が重要となります。

この試作品を作るに当たって私たちのコンセプトとしてあくまでもマシンによる抽出ではあるが、前述したようにあたかもハンドメイドに近いコーヒーに仕上げる事を掲げました。

また、マシンによる抽出は淡泊である、重厚さに欠けコクが少ないといった欠点を払拭することも必要があると考え、生豆の選定から、焙煎度具合、ブレンドの調整、豆の挽目、製品としてのバランス、といったコーヒー豆そのものの価値を高めることと、マシンによる抽出の精度を高める事により、限りなくハンドメイドに近いコーヒーに仕上げる事が出来ました。

コーヒーマシンで自動販売機の営業許可を取得

しかしコーヒーの商品化が進んだものの、当時はこの「全自動ドリップコーヒーマシン」本体での保健所による営業許可の実績は皆無で有り、喫茶店や飲食店での営業許可の下での使用以外は使う事が出来ませんでした。

それだけにこのマシン本体で、「自動販売機に限る営業許可」の取得がどうしても必要条件となりました。

国内で初めての営業許可をこのマシンで取得するにはかなり高いハードルを乗り越えなければなりません。

そもそもこのマシンはメーカーが市場に出す段階において、マシン本体で営業許可の取得を目的として製品化されていなかったようです。

そういう事も有り当時としては既に営業許可のおりている飲食店内やレストラン、社員食堂といった限られた施設での使用しか認められませんでした。

この様な状況下、営業許可の取得は当初困難を極めました。とにかく国内の保健所で取得の前例が全く無いところから始めました。

先ず保健所から要請されたのはマシン内部における部材の検査証明書等でありそれは膨大な数量と期間を要しました。

また保健所との調整や対応にも相当の期間が必要となり、結果的には最初の営業許可が下りるまでには、おおよそ半年の期間を要したことになります。

ベストなマシンとの融合とアフターメンテナンスの重要性

営業許可のもと設置されたマシンとコーヒーは、有難いことにお客様の間で大変高い評価を頂き1店舗当りの売上も、年間1.5~2倍増を観るに至りました。

中には数カ月で4~5倍に実績を上げた店舗も出てきました。やはり今となっては、このマシンに決めておいて良かったとしみじみ思います。

当社にとって当然ではありますが、先ず設置後のスタート時点からクライアント先へのアフターメンテナンスをしっかり執り行う事であります。その効果も上がり故障が極めて少ない事です。

販売杯数の多い店舗では1日100杯以上30日稼働として3000杯以上をこなす店舗においてでさえ、まず故障らしい故障を聞いたことが有りません。

たまに誤操作によりマシンが止まる事が有っても、殆どが故障の原因をモニターで示してくれるため、今のところ担当者からの電話による対応で原状復帰が可能となり無事終わってしまうケースが見受けられる程度であります。

とは言え、弊社においてもマシンの故障は最も注意を要するところで有ります。

そのためにもこの事業を始めるに当り、当初よりあらかじめマシン内部の消耗頻度の高いパーツを選定の上、リザーブパーツとして1セット貸与するサービスを行って参りました。これにより当然故障率の低減にも繋がります。

また何よりも日々マシンのメンテに関わる担当者にとって各段に作業効率が省力化されることで現場の皆様より高い評価を頂いております。

 

クライアント先での出会いをこれからも大切にして行きます

このビジネスを立ち上げるに際し先ず念頭に心掛けた事に、エンドユーザーや、クライアントにとって、このビジネスに関わる中でどの様な事を必要とされるか、また弊社が最大限に出来得る事はどういったことかを十分に熟慮して行く中で解き明かしていったことです。

その一つひとつが今にお客様へのサービスとしての繋がりをもち、ご利用頂ける事は私たちに取ってこの上ない喜びであります。

この目まぐるしい現代社会に有って、少しでも多くの人にホット一息して頂ける癒しの空間になればと念願して止みません。

喫茶は些細な日常では有りますが、またその瞬間から気分のリフレッシュによる新たな英気を養って頂ける一助となれることを・・・・・「ほんのわずかな時間を・ホット~な・コーヒーとともに」・・・・・それは私たちの願いです。