ヨシムラコーヒーラボ #1|ハンドドリップの基本。道具選びで大切にしたいこと
2026.10.29 13:41
コーヒーを自宅でおいしく淹れるためには、どんな道具を選べばよいのでしょうか。
ドリッパーやケトル、ペーパーフィルターなど、コーヒー器具にはさまざまな種類があります。
それぞれに特徴がありますが、最初から高価な道具をそろえる必要はありません。
大切なのは、道具の役割を知り、コーヒーの味わいを引き出しやすい環境を整えることです。
今回は、ヨシムラコーヒーが推奨する道具と、その理由をご紹介します。
1. ドリッパーは「円錐形・1つ穴」がおすすめ

ヨシムラコーヒーでは、円錐形で大きな1つ穴を持つドリッパーをおすすめしています。
推奨する器具のひとつが、HARIOの「V60透過ドリッパー」です。
円錐形のドリッパーは、コーヒーの粉を深い層に形成しやすく、
中心の大きな穴からお湯が抜ける構造になっています。
お湯を注ぐ速度などによって抽出の進み方を調整しやすいことが特徴です。https://shop.hariocorp.co.jp/products/vd-01t
なぜ1つ穴をおすすめするのか
ドリッパーには、底に1つ穴があるものや、3つ穴があるものなど、さまざまな種類があります。
ヨシムラコーヒーが大切にしているのは、コーヒーの粉全体にお湯を行き渡らせ、
豆が持つ味わいをできるだけ引き出すことです。
抽出が速ければ、必ずしもすっきりしておいしいコーヒーになるわけではありません。
お湯と粉が十分に接触せず、狙った味わいを引き出せていない場合もあります。
反対に、抽出に時間をかければよいというわけでもありません。
粉の挽き目や注ぎ方などを含め、全体のバランスが重要です。
1つ穴のドリッパーは、注湯の速度を調整しながら抽出を組み立てやすく、
コーヒーの味わいを丁寧に引き出したい方に適した選択肢です。
アメリカンのような軽い飲み口がお好みの場合も、抽出を薄くすることだけが方法ではありません。
まずはしっかりと好みの味わいを抽出し、そのあとにお湯を加えて濃度を調整する方法もあります。
ヨシムラコーヒーでは、抽出の段階で味わいを十分に引き出し、そのうえで濃さを調整することをおすすめしています。
2. ケトルは「温度調整機能付きの細口タイプ」
ハンドドリップでは、お湯の注ぎ方が抽出に影響します。そのため、注ぐ量や速度を調整しやすい細口のケトルがおすすめです。
さらに、ヨシムラコーヒーでは、温度調整機能付きの電気ケトルを推奨しています。

お湯の温度は、コーヒーの成分が溶け出す速さや、仕上がりの味わいに関係します。
温度を設定できるケトルなら、毎回の抽出条件をそろえやすく、温度を変えたときの違いも比較できます。
コーヒーに適した温度は、豆の焙煎度合いや挽き目、抽出方法などによっても変わります。
具体的な温度の考え方については、後の記事で詳しく解説します。
3. ペーパーフィルターは「無漂白」を選ぶ
ペーパーフィルターには、白い漂白タイプと、茶色い無漂白タイプがあります。
ヨシムラコーヒーでは、無漂白タイプを採用しています。
その理由は、実際に社員全員で比較を行った経験にあります。
ドリッパーにフィルターをセットし、コーヒーの粉を入れずにお湯だけを通して、漂白タイプと無漂白タイプを飲み比べました。その結果、私たちは漂白タイプを通したお湯に、味や香りの面で違和感を覚えました。
この経験から、ヨシムラコーヒーでは無漂白タイプを選んでいます。

ただし、これは当社での比較に基づく判断であり、すべての製品で同じ結果になるとは限りません。
フィルターの素材や製造方法によっても、香りや味への影響は異なります。
無漂白フィルターでも紙のにおいが気になる場合は、使用前にお湯を通す方法があります。
フィルター全体を湯通しし、そのお湯を捨ててから抽出すると、紙の風味がコーヒーに移るのを抑えやすくなります。
フィルター選びでは、色だけで判断せず、実際に使って味わいを確かめることも大切です。
4. コーヒーを淹れる水は「軟水」がおすすめ
コーヒーの味わいを考えるうえで、忘れてはならないのが水です。
水に関しては、のちの講座でしっかりとお伝えしていければと考えておりますが、
ひと先ず自宅の水道水(塩素が気になる方は浄水器からスタート)で大丈夫です。
日本の水は柔らかく、コーヒーの抽出に適している場合が多いです。
天然水をお使いになる場合、硬水よりも軟水のほうがドリップコーヒーには適しています。
パッケージに記載されている文章を読み、ご利用ください。
5. スケール|豆とお湯の量を正確に測る

コーヒーを安定しておいしく淹れるために、ぜひ用意しておきたいのがスケールです。
目分量で豆やお湯を量ると、その日の気分や淹れ方によって量にばらつきが生まれます。
スケールを使えば、コーヒー豆の量と注いだお湯の量を数字で確認でき、味わいを再現しやすくなります。
初めて購入する場合は、1g単位で計量でき、抽出時間も計れるタイマー付きのタイプがおすすめです。
特別に高価なものでなくても、基本的な機能があれば十分に活用できます。
豆とお湯の量をどう決めるかについては、次回の「#2|コーヒー豆とお湯の量。おいしく淹れる比率とは?」で詳しく解説します。
6. まずは基本の道具をそろえよう
ここまで紹介した道具を整理すると、次のようになります。
| 道具 | ヨシムラコーヒーのおすすめ |
|---|---|
| ドリッパー | 円錐形・大きな1つ穴 |
| ケトル | 温度調整機能付きの細口タイプ |
| ペーパーフィルター | 無漂白タイプ |
| 水 | 軟水を基本に、 |
| スケール | 粉とお湯の量を量れるもの |
最初から高価な器具をすべてそろえる必要はありません。まずは基本の道具を使い、毎回の分量や抽出条件をそろえることから始めてみましょう。
コーヒーの味わいは、豆の種類や焙煎度合いだけでなく、道具や水、抽出方法によっても変化します。
道具の役割を知り、少しずつ条件を調整していけば、自分好みの一杯に近づけるはずです。
ヨシムラコーヒーラボでは、これからもコーヒーをより深く楽しむための知識を、基本から順番に解説していきます。
今回のまとめ
- ドリッパーは、抽出を調整しやすい円錐形・1つ穴がおすすめ。
- ケトルは、注ぎやすさに加えて温度を管理できるものが便利。
- ペーパーフィルターは、当社の比較経験から無漂白タイプを採用。
- 水は軟水を基本に、地域や水質の違いも考慮する。
- まずは道具と抽出条件をそろえることから始めよう。
次の記事:ヨシムラコーヒーラボ #2|コーヒー豆とお湯の適切な分量