ヨシムラコーヒーラボ #2|コーヒー豆とお湯の黄金比。おいしく淹れる分量の考え方

2026.11.02 11:35

ハンドドリップでコーヒーを淹れるとき、豆とお湯の量は味わいを左右する大切な要素です。

同じコーヒー豆を使っていても、豆に対してお湯をどれくらい使うかによって、濃さや口当たりは変わります。

今回は、基本となる豆とお湯の比率から、人数に合わせた分量の考え方、好みの濃さに調整する方法までご紹介します。

まずは基本の分量を覚えましょう

ハンドドリップを始めるときは、まず基本となる分量を決めておくと安心です。

ヨシムラコーヒーでは、1杯分の目安として次の分量をおすすめしています。

  • コーヒー豆:15g
  • お湯:240g

豆15gに対してお湯240g。比率で表すと、1:16です。

この比率は、あくまでおいしく淹れるためのスタート地点。

豆の種類や焙煎度、挽き目、好みによって調整していきましょう。

人数が増えたら、分量も調整しましょう

基本の比率を覚えたら、人数に合わせて分量を増やしてみましょう。

ヨシムラコーヒーでは、豆とお湯の比率を1:16を目安にしています。

人数 コーヒー豆 お湯
1杯分 15g 240g
2杯分 20g 320g

このように、人数が増えても基本の比率は変えず、豆とお湯の量を調整します。

ただし、一度に淹れる量が変わると、
ドリッパーの中のコーヒー粉の層の深さやお湯の通り方、抽出中の温度変化なども変わります。

そのため、同じ比率でも抽出量によって味わいが変わることがあります。

まずはこの分量を基本にして、必要に応じて挽き目や注ぎ方を調整してみましょう。

豆とお湯の比率で、味わいを調整する

基本の分量を覚えたら、次は好みに合わせて比率を変えてみましょう。

例えば、コーヒー豆15gを使う場合、お湯の量を次のように変えることができます。

コーヒー豆 お湯 比率
15g 225g 1:15
15g 240g 1:16
15g 255g 1:17

同じ豆の量でお湯を少なくすると、一般的に濃度の高いコーヒーになります。

反対に、お湯を多くすると、濃度は低くなり、軽い口当たりになります。

ここで覚えておきたいのが、「濃度」と「抽出率」は別のものだということです。

  • 濃度:抽出されたコーヒー液に、どれくらいの成分が含まれているか
  • 抽出率:コーヒー粉に含まれる水に溶ける成分のうち、どれくらいが抽出されたか

お湯の量を増やすとコーヒーの濃度は下がりやすくなりますが、それだけで抽出率まで決まるわけではありません。

豆の量とお湯の量だけでなく、挽き目や注ぎ方なども味わいに関係しています。

まずは基本の1:16を基準に、少しずつ比率を変えながら、自分の好みを探してみてください。

薄めに楽しみたいときは、あとからお湯を足す方法も

「もう少し軽い味わいにしたい」と思ったとき、ドリップするお湯の量を増やす方法があります。

ただし、薄めのコーヒーにしたいからといって、ドリッパーにお湯を注ぎ続ける必要はありません。

コーヒーは抽出が進むにつれて、液体に溶け出す成分のバランスが変化します。

抽出の後半まで長くお湯を通すと、苦味や渋味などが強く感じられ、味わいのバランスが変わることもあります。

そこで試していただきたいのが、ドリップを途中で切り上げ、抽出したコーヒーにお湯を加えて仕上げる方法です。

例えば、少なめのお湯でコーヒーを抽出し、できあがったコーヒーにお湯を足して、好みの濃さに調整します。

このように、抽出したコーヒーにお湯を加えて濃度を調整する方法は、アメリカンコーヒーの楽しみ方のひとつです。

 

もちろん、どちらの方法が正解というわけではありません。豆の種類や挽き目、好みに合わせて使い分けてみましょう。

「お湯を多く使ってドリップする」だけでなく、「抽出したコーヒーにお湯を足す」という方法も、ぜひ覚えておいてください。

カフェオレにするなら、少し濃いめに抽出

牛乳を加えてカフェオレにする場合は、通常よりも少し濃いめにコーヒーを抽出するのがおすすめです。

牛乳を加えることでコーヒーの風味がやわらぐため、最初から濃いめに抽出しておくと、コーヒーの味わいを感じやすくなります。

目安は、コーヒー豆15gに対してお湯180〜210gほど。比率ではおよそ1:12〜1:14です。

抽出したコーヒーと牛乳を1:1の割合で合わせると、バランスのよいカフェオレに仕上がります。

例えば、抽出したコーヒーが約120mlなら、同じ量の牛乳を加えてみましょう。

※豆が水分を吸収するため、注いだお湯の量とできあがるコーヒーの量は同じではありません。

牛乳の量は、実際に抽出できたコーヒーの量を目安に調整してください。

また、選ぶ牛乳は、乳脂肪の多いものを使うとより美味しいカフェオレになりますよ。

スケールを使って、毎回の味を安定させましょう

ここまで紹介した分量を再現するために、ぜひ使っていただきたいのがスケール(計量器)です。

コーヒー豆を量るときだけでなく、お湯を注ぐときにもスケールを使うことで、毎回の分量を正確に管理できます。

例えば、コーヒー豆15gに対してお湯240gを使う場合は、ドリッパーとサーバーをスケールに乗せ、表示を確認しながら240gまで注ぎます。

目分量で注ぐと、知らないうちにお湯の量にばらつきが出てしまいます。豆とお湯の量を毎回そろえることで、味の違いを比べやすくなり、自分好みの味わいを見つけることにもつながります。

最初から細かな抽出技術を意識する必要はありません。まずは豆とお湯の量を量ることから始めてみましょう。

まとめ

コーヒーの味わいは、豆とお湯の比率によって変わります。

今回のポイントを振り返ってみましょう。

  • まずは豆15gに対してお湯240gを基本にする
  • 2杯分は豆20gに対してお湯320gを目安にする
  • お湯の量を変えることで、コーヒーの濃度を調整できる
  • 薄めに楽しみたいときは、抽出後にお湯を足す方法もある
  • カフェオレは少し濃いめに抽出し、コーヒーと牛乳を1:1で合わせる
  • スケールを使って豆とお湯の量を正確に量る

最初は基本の分量を守り、そこから少しずつ調整していくことが、おいしいコーヒーへの近道です。

次回は、コーヒーの味わいに関係する「お湯の温度」についてご紹介します。

参考文献・参考資料

  • Frost et al. (2020), Effects of brew strength, brew yield, and roast on the sensory quality of drip brewed coffee, Journal of Food Science.
  • Guinard et al. (2023), A new Coffee Brewing Control Chart relating sensory properties and consumer liking to brew strength, extraction yield, and brew ratio, Journal of Food Science.
  • 珈琲きゃろっと|コーヒーの淹れ方