伊丹の駅前にある、世にも珍しい「宝石カフェ」???

2026.08.24 12:53

阪急伊丹線の稲野駅。

塚口から一駅という近さですが、駅を降りると、ずいぶん落ち着いた雰囲気があります。

以前は駅の近くに大手前大学のキャンパスがあり、学生の姿も多かったこの界隈。大学の移転後はそのキャンパスも閉鎖され、現在は新しいマンションの建設が進んでいます。

そんな稲野駅の東口から歩いてすぐのところに、ちょっと変わったカフェがあります。

店の名前は「Mineral Muru(ミネラルムール)」。

名前からなんとなく想像できるかもしれませんが、この店、普通のカフェではありません。

鉱物を扱っているカフェです。

……と言っても、鉱物に詳しくない人からすると、

「石を見ながら珈琲を飲むって、どういうこと?」

となるかもしれません。

実際、私も珈琲の仕事をしている人間であって、鉱物の専門家ではありません。

ただ、この店と仕事で関わるようになって、実際に店内を見ていると、これがなかなか面白い。

今回は、珈琲を卸している側から、Mineral Muruという店を紹介してみたいと思います。

まず、店に入ると「石」がある

駅から本当にすぐです。

住宅街の中にある小さな店舗に入ると、最初に目に入ってくるのが鉱物や天然石。

いわゆる「石屋さん」を想像すると少し違うかもしれません。

色や形もさまざまで、透明感のある結晶から、独特の模様を持つものまで、かなり種類があります。

鉱物に詳しい人なら「これは○○ですね」と分かるのでしょうが、私のような素人からすると、

「なんでこんな形になるんだろう?」

というところから興味が出てきます。

自然にできたものなのに、人工物のように規則正しい形をしていたり、逆にどうやってできたのか想像もつかない形をしていたりする。

写真で見るのと、実物を見るのとでは結構違います。

しかも、ここではそれらを遠くから眺めるだけではありません。

気になる石があれば手に取って見ることができ、気に入ったものは購入することもできます。

鉱物標本として楽しむのもいいし、天然石としてアクセサリーなどに使うこともできます。

鉱物に興味がなくても、意外と楽しめる

ここが、この店の面白いところです。

「鉱物好きのための専門店です」と言われると、ちょっと敷居が高く感じます。

でもMineral Muruはカフェでもあります。

つまり、別に鉱物を買うつもりがなくてもいい。

ランチを食べに来てもいいし、珈琲を飲みに来てもいい。

そのついでに、

「この石、何?」

と眺めてみる。

このくらいの距離感でいいんです。

むしろ、最初から鉱物の知識を持っている必要がない。

店の人に聞けば、それぞれの石について教えてもらえます。

こういう「知らない世界にちょっと触れられる場所」というのは、意外と少ないものです。

カフェとしても、ちゃんとしている

もちろん、鉱物が面白いだけではカフェとしては成立しません。

Mineral Muruでは、ランチや軽食、スイーツ、ドリンクなども楽しめます。

ハンバーグやパスタ、ホットサンドなど、普通にお腹を満たせるメニューがあるので、昼食目的で利用することもできます。

ここは結構重要なところで、

「鉱物を見るために行く店」

ではなく、

「普通にご飯を食べに行ったら、鉱物も楽しめる店」

くらいに考えてもらったほうが分かりやすいと思います。

そして食後には珈琲。

ここで使っていただいている珈琲を、私は仕事としてお届けしています。

自分の仕事に関係しているからというだけでなく、こういう店で珈琲を飲んでもらえるのは、珈琲屋として結構嬉しいものです。

鉱物をテーマにしたドリンクもある

Mineral Muruでは、普通の珈琲や紅茶だけでなく、鉱物や宝石をイメージしたドリンクもあります。

このあたりは、この店ならでは。

例えば、誕生石をモチーフにしたドリンクなどもあり、色合いや見た目にもこだわっています。

鉱物を見ながら、それをイメージしたドリンクを飲む。

こうなると、単純に「カフェでお茶をする」というより、ちょっとした体験になります。

写真を撮って楽しむのもいいでしょうし、単純に「綺麗だから」という理由で選んでもいい。

こういう遊び心は、普通のカフェにはなかなかありません。

 

さらに、石からジュエリーも作れる

Mineral Muruでは、鉱物や天然石を販売するだけでなく、選んだ石を使ってジュエリーを作ることもできます。

自分で気に入った石を選び、それをアクセサリーに仕立ててもらう。

既製品のアクセサリーを買うのとは、少し意味が違います。

「この石が気に入ったから、これを身につけたい」

というところから始められるわけです。

天然石やジュエリーが好きな人なら、かなり楽しめると思います。

もちろん、ここまで来ると少し専門的な世界ですが、店で石を眺めているうちに興味が出てくる人もいるでしょう。

店内はコンパクト。そのぶん、距離が近い

Mineral Muruの店内は、いわゆる大型カフェではありません。

席数も限られた、こぢんまりとした空間です。

ただ、この規模感が逆にいい。

鉱物が並んでいる場所と食事をする場所が近く、店全体を見渡すことができます。

大型店舗のような「カフェに来た」という感じとは少し違って、店主の好きなものがそのまま一つの空間にまとまっているような印象があります。

鉱物を眺める。

珈琲を飲む。

料理を食べる。

店の人と話す。

この距離が近いんです。

男一人でも、案外入りやすい

こういうタイプの店は、男性からすると少し入りにくく感じるかもしれません。

「鉱物の店って女性向けじゃないの?」

と思う人もいるでしょう。

でも、実際には鉱物ってかなり男性もハマるジャンルです。

鉱物標本、化石、地質、結晶など、掘り下げていくとかなり奥が深い。

子どものころに石を拾ったり、博物館の鉱物コーナーを何となく見ていた人なら、一度実物を見てみると意外と面白いと思います。

それに、何よりカフェなので、

「ちょっと珈琲を飲みに来た」

でも構いません。

一人で入って、珈琲を飲みながら店内を眺める。

それくらいの使い方でもいいと思います。

稲野という場所だからこそ、ちょうどいい

個人的には、Mineral Muruが稲野にあるというのも面白いと思っています。

大阪や神戸の中心部にある専門店なら、わざわざそこへ行く目的が必要になります。

でも稲野は、もう少し生活に近い場所です。

駅を利用する人。

近所に住んでいる人。

伊丹や塚口方面から来る人。

そんな人たちが、ふらっと立ち寄れる。

駅から近いので、電車で訪れるのも簡単です。

周辺の街並みも比較的落ち着いているので、繁華街のカフェとはまた違った時間を過ごせます。

「何の店?」と聞かれたら、ちょっと説明に困る

Mineral Muruを一言で説明しようとすると、実は少し難しい。

「鉱物屋さんです」

だけでもない。

「カフェです」

だけでもない。

「天然石のお店です」

だけでもない。

鉱物を見て、料理を食べて、珈琲を飲んで、気に入った石を買う。

場合によっては、その石をジュエリーにする。

そういういくつかの楽しみ方が一つの店に入っています。

だからこそ、最初は「何の店なんだろう?」くらいで行ってみるのがいいと思います。

珈琲屋として、この店を紹介するなら

私自身は珈琲屋なので、どうしても最後は珈琲の話になります。

珈琲というのは、実は「どこで飲むか」が結構大事です。

同じ豆でも、忙しい朝に飲むのと、休日にゆっくり飲むのでは印象が違う。

食後に飲むのと、本を読みながら飲むのでも違う。

Mineral Muruの場合は、その珈琲の横に鉱物があります。

普通なら、珈琲を飲みながらスマートフォンを見るところを、ちょっと石を眺めてみる。

「これ、どうやってできたんだろう」

なんて考えながら珈琲を飲む。

そういう時間があってもいいと思います。

稲野に行く理由が一つ増える

大学が移転し、街の風景も変わっていく。

新しいマンションができれば、これから住む人も増えていくでしょう。

そういう街の変化の中で、駅前にこうした個性的な店があるのは面白いことだと思います。

全国どこにでもあるチェーン店ではなく、

「稲野に行ったら、あの店に寄ってみよう」

と思える場所がある。

それだけでも、その街に少し個性が生まれます。

Mineral Muruは、そういう店の一つなのではないでしょうか。

鉱物に詳しくなくても、一度行ってみてほしい

鉱物が好きな人なら、もちろん楽しめます。

天然石やジュエリーが好きな人にもおすすめです。

でも、私が個人的におすすめしたいのは、むしろ「鉱物に特に興味がない人」。

ランチでもいい。

珈琲でもいい。

たまたま稲野駅に来たから、でもいい。

そこで店内に並んでいる石を見て、

「へえ、こんな石があるんだ」

と思ってもらえれば、それで十分だと思います。

知らなかったものを知るというのは、意外と楽しいものです。

阪急伊丹線、稲野駅。

駅からすぐのところにある、鉱物とカフェの店、Mineral Muru。

ちょっと変わった店ですが、だからこそ一度覗いてみる価値があります。

珈琲を飲みに行ってもいい。

ご飯を食べに行ってもいい。

石を見に行ってもいい。

気に入った石を買って帰ってもいい。

そして、何も買わずに「面白かったな」と帰ってもいい。

そんな気軽さで、一度訪れてみてはいかがでしょうか。